2015年 10月 20日
天山文庫・・・草野心平の川内村での住まい
蕎麦フェスタから、天山文庫へ
天山文庫のすぐ下に、阿武隈民芸資料館があります
昭和55年3月に電源交付金事業として開設された民芸資料館。
川内村に古くから伝わる民芸品や土器などの出土品を始め
阿武隈山系や福島県内各地に残る民芸品(陶磁器、漆器、木工品)などを数多く展示、保存しています。
また、詩人草野心平と村民との心の交流を物語る思い出の品々も展示されています。
先人の知恵や生活様式を知る上で、貴重な資料館であり
その心を受け継ぎ、川内村の未来、産業や生活の文化を伝えるための施設です (村のH.Pより)
見晴らしの良い小高い場所に資料館
そしてそこから少し上って天山文庫があります
資料館には、心平が新宿で開いたバー学校が再現されていました
心平筆の、たくさんの額があり、係の方が丁寧に説明してくださいました
何かあるたびに、村の方たちにお礼として書いた物だそうです
ここから天山文庫へ向かいます
酒造会社から贈られた樽の図書館^^
中には本がギッシリ
民芸資料館から天山文庫に向かう途中の木立の中に二つあります
見えてきました
毎年のように村を訪れるようになり、1960年に名誉村民に任命され
村ではその褒賞として、毎年木炭100俵を贈りました。
そのお礼に心平蔵書3,000冊を村に寄贈
これを機に、文庫建設の話が持ち上がり、村民が一木一草を持ち寄り
村を挙げての労働奉仕によって建てられたのが天山文庫だそうです。
文庫の設計は、日本建築の権威である信建築設計事務所長、山本勝巳氏。
(俳優の山本学氏の父だそうです)
付近のロケーションに溶け込む木造真壁造りで茅葺き屋根。
玄関の「天山」の扁額は、故川端康成先生の書、彫刻は後藤桂仙師。
襖の帯は、明治中期頃の紺絣、自在かぎは白夜院の伝統もの
扉や腰板の太鼓鋲は信州松本城でも使用している手打鋲が打ちこまれ、池は「月の十三夜」に似せて築かれたものです。
井上靖、金子光晴、唐木順三、河上徹太郎、川端康成、小林勇、高村豊周
武田泰淳、谷川徹三、中野重治、西脇順三郎、吉田晁、松方三郎、武者小路実篤
村野四郎、山本健吉の諸氏が天山文庫設立協力委員会発起人として活躍されました。
角に柱のない造り、美しいです
毎年7月16日には、天山祭り が行われます
思っていたよりも、新しい造りで、広くてきれいな住居でした
自然に恵まれた静かなこの地を訪れて、
池を眺めながら、大好きなお酒を飲んで詩作に専念したのでしょうか
案内してくださった女性の方がポツリと仰った
茸はもう食べられないんですよね
という言葉が、重く心に残りました
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